田舎で働いている介護職の中には、「給料が低い」「よそ者を受け入れてくれないのでつらい」「人間関係が密でプライバシーがない」という不満を持っている人が少なくない。
田舎に転職した介護職の直面する大きな問題は、主に低い給与と人間関係の2つだ。
地域によって最低賃金が違うので、当然、給与や賞与の額も異なる。
一般的に東京や大阪など大都市圏よりも、田舎の介護施設の方が給与は安い傾向がある。
年間の収入にすると数十万円の差がつくこともある。
もちろん都会は家賃や物価が高いので、給与の差があるのは当然といえば当然である。

 施設内のスタッフ同士というよりも、生活していく上での近所づきあいが問題だ。
たとえば、ある田舎の地域では、1軒のメロン農家が他の農家とは違う特殊な方法で農園を運営していた。
そこで、おそらく地域住民はあまり良い印象を持たなかったのかもしれない。
収穫間近のメロンに除草剤を撒かれて、約1500万円の損害が出たケースがある。
これは極端な例だが、田舎移住はこうした人目につかないところで何かしらの被害に合うリスクを伴う可能性がある。
収入、人間関係の両方の問題を避け、介護職として地方での転職を成功させたいならば、地方都市の求人を探してみるとよいだろう。
地方都市は、都会と田舎の両方の良い面を持っている。
収入は田舎と比べると比較的良く、資格取得の支援に熱心な施設も多い。
転勤や就職、進学などで全国のいろいろな地方から人が集まっているため、純粋な田舎よりも人間関係が密ではなく、問題も起きにくい傾向がある。